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最新記事【2015年03月26日】

今日3月26日は、江戸時代初期に朱印船貿易などで活躍した大坂の豪商末吉孫左衛門(すえよし まござえもん)が、1617年に亡くなった日です。

末吉氏は、摂津国平野にあった名族で「平野屋」を名乗り、孫左衛門吉安の父の代に、豊臣秀吉に取り立てられて、河内国(今の大阪東部)1000石の代官となって、諸国廻船業を営んでいました。

1570年、平野(のちの末吉)勘兵衛利方の長男に生まれた孫左衛門は、早くから父の仕事を手伝い、関ヶ原の戦いで徳川方に協力したことで、その功により、1601年に父とともに、京都伏見の銀座設立に加わり、銀座(貨幣の鋳造および銀地金の買売をになった)頭取に任ぜられて、特権的地位を得ました。

1607年には父の死により、家督を継いだ孫左衛門は、1614〜15年に大坂の陣が起きると、松平忠明らの徳川軍を平野に先導したり、徳川秀忠本陣の普請に協力して冬・夏の陣に勝利し、河内国志紀・河内両郡を加増され、5万石の代官に任ぜられました。

いっぽう、幕府の重臣土井利勝、酒井忠世、本多忠勝、崇伝らとの知遇により、1607年より連年朱印状を受け、ルソン、トンキン(今のベトナム)など、東南アジア各地に商船を派遣して「朱印船貿易」を行い、巨万の富を得ました。末吉家の朱印船は「末吉船」と呼ばれ、京都清水寺や大阪杭全(くまた)神社には、献納された末吉船絵馬が残っています。

孫左衛門の没後も、鎖国になるまで朱印船貿易に従事し、東末吉家(末吉勘兵衛家)、西末吉家(末吉孫左衛門家)に分かれましたが、両末吉家の子孫は江戸時代を通じて繁栄しました。


「3月26日にあった主なできごと」

1205年 新古今和歌集完成…後鳥羽上皇の命によって編まれた和歌集『新古今和歌集』がまとめられました。

1648年 柳生宗矩死去…江戸時代初期の武将で、将軍家のご流儀としての「柳生新陰流」をきわめた柳生宗矩(むねのり)が亡くなりました。

1827年 ベートーベン死去…『交響曲第5番』(運命)『交響曲第9番』(合唱)などの交響曲、『月光』『悲愴』などのピアノ曲のほか、管弦楽曲、歌劇、声楽曲など各方面にわたるかずかずの作品を残し、クラシック音楽史上最も偉大な作曲家の一人とされるドイツの作曲家ベートーベンが亡くなりました。

1910年 安重根死刑…初代韓国統監を務めていた伊藤博文をハルピンで暗殺した朝鮮の安重根(じゅこん)が死刑になりました。安は、韓国では義士としてたたえられています。
投稿日:2015年03月26日(木) 05:51

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)