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「漫画の帝王」 石ノ森章太郎

今日1月28日は、『サイボーグ009』『ロボット刑事』『マンガ日本経済入門』などの作品や、『仮面ライダー』シリーズの原作など、単行本作品だけでも400点以上著し ギネスに「世界一多作な漫画家」に認定された石ノ森章太郎(いしのもり しょうたろう)が、1998年に亡くなった日です。

1938年、今の宮城県登米市に生まれた石ノ森(本名・小野寺)章太郎は、子どものころから漫画を描くのが好きでした。佐沼高校に入学後、『漫画少年』への投稿仲間を集めて「東日本漫画研究会」を設立し、高校2年生の春に投稿した作品が手塚治虫の目にとまり、『鉄腕アトム』のアシスタントを務めるようになりました。

在学中の1954年、『漫画少年』新年号に掲載された「二級天使」でデビューをはたすと、翌年高校卒業後に上京し、手塚をはじめ赤塚不二夫、藤子不二雄、永井豪ら多くの漫画家たちとともにトキワ荘に住み、作家活動を開始しました。創作速度がきわめて速く、次々にヒット作を連発して、たちまち人気漫画家となっていきました。

作品のジャンルもギャグ・ナンセンス・SFなどきわめて広い分野にわたり、代表作に『サイボーグ009』『ロボット刑事』『さるとびエッちゃん』『HOTEL』などがあり、1965〜6年に刊行した『マンガ家入門』『続・マンガ家入門』は、技術論から、ストーリー構想術などが詳しく記された画期的な入門書で、漫画志望者のバイブルとなりました。また、テレビ化されて人気となった『仮面ライダー』シリーズ、『秘密戦隊ゴレンジャー』などの「スーパー戦隊シリーズ」の原作者として制作にかかわっています。さらに、1986年刊行の『マンガ日本経済入門』は、200万部のベストセラーとなり、『マンガ日本の歴史』他は、コミック教養書・専門書ブームの先駆けとなりました。

漫画制作以外にも、随筆、絵本制作などにも精力的に活動し、日本漫画家協会理事など漫画界の第一人者として、さまざまな方面で世話人を務める活躍をしました。

なお没後の2001年、郷里に近い宮城県石巻市に「石ノ森萬画館」が設立されました。2011年3月11日の「太平洋沖地震」の大津波で大被害を受けましたが、翌2012年11月から営業を再開しています。


「1月28日にあった主なできごと」

712年 古事記完成…太安万侶が元明天皇に「古事記」を献上しました。「古事記」は「日本書紀」と並ぶ古代の2大歴史書の一つで、元明天皇の命で稗田阿礼に記憶させた歴史を、安万侶がまとめあげたものです。

1547年 ヘンリー8世死去…イングランド王で、カトリック教会から離れ、イングランド国教会の首長となったことで知られるヘンリー8世が亡くなりました。

1582年 天正少年使節…九州のキリシタン3大名大友宗麟、有馬晴信、大村純忠は、伊東マンショら少年4名を「天正少年使節」として、ローマ法王に謁見させるため、長崎の港から送り出しました。
投稿日:2015年01月28日(水) 05:21

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)