「初の仏教史書」の虎関師錬
今日7月24日は、仏教伝来以来、700年もの仏教の歴史書『元亨(げんきょう)釈書』を著した鎌倉後期から南北朝時代にかけての臨済宗僧侶・虎関師錬(こかん しれん)が、1346年に亡くなった日です。
1278年、京都の下級貴族の子として生まれた虎関師錬は、8歳のとき山城国(京都府)三聖寺で出家すると、1291年から南禅寺で無学祖元の弟子規庵祖円らに禅を学ぶいっぽう、仁和寺や醍醐寺で密教(後期大乗仏教)を、菅原在輔や六条有房から儒学を学ぶなど、広く学問を修めました。
その後、1307年鎌倉に下向して建長寺で中国の禅僧一山一寧(いっさんいちねい)を訪れて教えを請うた際、日本の名僧の事績について尋ねられ、満足に答えられなかったことがきっかけとなって、日本最初の総合仏教史の編さんを志しました。そして帰京後、仏教伝来から鎌倉末期まで700年間の仏教の歴史を記した『元亨釈書』(30巻)に取り組み、1322年に完成させて後醍醐天皇に献上しました。
その後、東福寺や南禅寺の住持となり、1341年に東福寺海蔵院に退いたことで「海蔵和尚」と呼ばれ、同年後村上天皇から国師号を賜っています。
漢詩にも優れ、詩文集『済北集』や『十禅支録』を著すなど、五山文学僧の先駆といわれ、『禅儀外文集』『聚分韻略』『仏語心論』など多くの著書を残しました。
「7月24日にあった主なできごと」
1802年 デュマ誕生…フランスの作家で、『モンテクリスト伯』『三銃士』などを著したアレクサンドル・デュマが生まれました。
1876年 ウェブスター誕生…『足ながおじさん』を著したアメリカの女流作家ジーン・ウェブスターが生まれました。
1886年 谷崎潤一郎誕生…『細雪』『春琴抄』『痴人の愛』などの小説や『源氏物語』現代語訳を著した作家の谷崎潤一郎が生まれました。
1927年 芥川龍之介死去…『杜子春』『蜘蛛の糸』 『鼻』『河童』などの短編小説を著した大正時代を代表する作家芥川龍之介が、36歳で自殺しました。
投稿日:2015年07月24日(金) 05:26