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最新記事【2014年11月28日】

今日11月28日は、アメリカの作家で、イギリスで名声をえたアービングが、1859年に亡くなった日です。

1783年、ニューヨークのマンハッタンに裕福な商人の11人兄弟末っ子として生まれたワシントン・アービングは、身体が弱かったため、幼いころから読書に親しみました。1804年、保養を兼ねてイギリスに渡ってイギリス文学に親しみ、1806年に帰国して弁護士資格を独学でとると、弁護士を開業するかたわら、短編を書きためていきました。

1807年に兄や友人らとともに、ユーモアやパロディを交えて社会情勢を語る雑誌を発行します。1809年に初の自著『ニューヨークの歴史』を刊行すると、そのユーモア感覚が評判を呼びました。ところがアービング家の商売にいきづまりが生じ、イギリスで貿易商をしていた兄の手伝いをするため1815年にロンドンに渡るものの兄は破産、生活をささえるために執筆を本格化させ、以後17年間ヨーロッパに滞在します。

その間、あこがれていた作家スコットらイギリスの文人らと親しく交わりながら研さんを重ね、1818年、アービングの名をいちやく世界的にした『スケッチ・ブック』を出版しました。この作品は、主人公にとってはいくらも経っていないのに、世間ではいつの間にか長い時が過ぎ去っていたという類似性から[西洋浦島]といわれる「リップ・ヴァン・ウィンクル」、殺されて首を切られた騎手がやがて復活し、光る眼を持つ馬に乗って森の中で殺しの犠牲者を待つという「スリーピー・ホローの伝説」など30数編を収録した短編集で、アービングは国外で名声をえた初のアメリカ人作家といわれています。

さらに『ブレースブリッジ邸』『ある旅人の物語集』などを刊行後、1826年から5年間スペインのアメリカ公使館に勤務後に帰国すると、スペイン文化に親しんだ体験から『アルハンブラ宮殿物語』『グラナダ征服記』を著しています。

アービングの健筆ぶりは晩年まで衰えず、『ワシントン伝』(5巻)、ゴールドスミス、ムハンマドらの伝記、旅行記『大草原の旅』などのほか、随筆にもすぐれ『ロンドンの日曜日』『いなかの教会』などを残しています。


「11月28日にあった主なできごと」

1262年 親鸞死去…『南無阿弥陀仏』と念仏をとなえれば来世で極楽浄土に生まれかわることができると説く「浄土宗」を開いた法然に学び、その教えを発展させて「浄土真宗」を開いた親鸞が亡くなりました。

1883年 鹿鳴館開館…日本初の洋式社交場が、東京・内幸町に開業。外国人を歓迎する舞踏会がさかんに行われ、欧化主義風潮の拠点となったことで、1887年ころまでの狂熱的な一時期を「鹿鳴館時代」とよんでいます。
投稿日:2014年11月28日(金) 05:16

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)