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最新記事【2015年05月13日】

今日5月13日は、動物学・古生物学・分類学などの分野で先駆的研究を行ったフランスの博物学者キュビエが、1832年に亡くなった日です。

1769年、スイス国境に近いモンベリアールに、退役軍人の子として生まれたジョルジュ・キュビエは、幼少期から記憶力の優れた勉強家として注目され、1784年にドイツのシュツットガルトのカールスアカデミーに入学し、初めは軍人養成のための経済、行政、法律などを学んでいました。やがて植物学、動物学、博物学を学ぶうち、比較解剖研究に取り組むキールマイヤーと出会って、この分野の研究を深めたいと考えるようになりました。

貧しかったため、卒業後は貴族の家庭教師をしながら、軟体動物・甲殻類・ヒトデ類などの海産動物の内部形態を探るうち、著名な博物学者エティエンヌにその成果が評価され、1795年にパリにある国立自然史博物館の比較解剖学教授の助手として採用されました。

まもなくその実力が認められ、翌1796年からパンテオン中央学校で講義するようになり、講義記録が『動物の自然史の基礎』として出版され、1799年には国立コレージュ・ド・フランスの自然史教授となりました。また、1800〜05年に発表した『比較解剖学講義』は、その分野の古典的研究として高く評価され、1802年にはパリ植物園の教授になるいっぽう、公教育の視学監督官に任命され、公務や講義に追われながらも著作活動を続けました。

当時、パリのモンマルトルにある石膏採掘所から、多くの哺乳類の化石が発見されているのを知ると、バラバラに出てきた骨と現在の動物とを比較する新しい研究の道を開き、1812年に『化石骨の諸研究』を発表。1825年には『地表変革論』を発表し、ラマルクらの主張する進化論より、「天変地異説」という、大洪水など地球的規模でおこった激変により古い生物は滅び、新しい生物が1段階ずつ高等になるという説をとなえました。

代表的な著書は、『動物の自然史の基礎』や『比較解剖学講義』に手直しを加え、1829〜30年に改訂版として刊行した通称『動物界』(5巻)です。動物には「脊椎動物」「軟体類」「関節類」「放射類」の4つの部門があること、さらに15類に分類できること、各器官・部分は特定の機能の媒介によって統一されていることを主張したことが知られています。

さまざまな能力を兼ねそなえたキュビエは、ナポレオン1世にも重用され、パリ大学の評議員に任命されるなど数々の重要ポストにつき、ナポレオン失脚後もパリ大学の総長を数年間務めたほか、内務次官となったり、亡くなるまで国家評議委員を務め、博物学者として当時のヨーロッパ学界をリードする存在でした。


「5月13日にあった主なできごと」

1401年 日明貿易再開要請…室町幕府第3代将軍の足利義満は、明(中国)に使節を派遣し、明との貿易要請をしました。明は、遣唐使以来、長い間国交がとだえていた日本との貿易を認めるかわりに、明の沿岸を荒らしまわっていた倭寇(わこう)と呼ばれる海賊をとりしまることを要求してきました。こうして、日明貿易は1404年から1549年まで十数回行なわれました。貿易の際に、許可証である勘合符を使用するために「勘合貿易」とも呼ばれています。

1717年 マリア・テレジア誕生…ハプスブルク家の女帝として40年間君臨し、現在のオーストリアの基盤を築いたマリア・テレジアが生まれました。

1894年 松平定信死去…江戸時代中期、田沼意次一族の放漫財政を批判して「寛政の改革」とよばれる幕政改革おこなった松平定信が亡くなりました。
投稿日:2015年05月13日(水) 05:51

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プロフィール

酒井 義夫(さかい よしお)
酒井 義夫(さかい よしお)

略歴
1942年 東京・足立区生まれ
1961年 東京都立白鴎高校卒
1966年 上智大学文学部新聞学科卒
1966年 社会思想社入社
1973年 独立、編集プロダクション設立
1974年 いずみ書房創業、取締役編集長
1988年 いずみ書房代表取締役社長
2013年 いずみ書房取締役会長
現在に至る

昭和41年、大学を卒業してから50年近くの年月が経った。卒業後すぐに 「社会思想社」という出版社へ入り、昭和48年に独立、翌49年に「いずみ書房」を興して40年目に入ったから、出版界に足を踏み入れて早くも半世紀になったことになる。何を好んで、こんなにも長くこの業界にい続けるのかと考えてみると、それだけ出版界が自分にとって魅力のある業界であることと、なにか魔力が出版界に存在するような気がしてならない。
それから、自分でいうのもなんだが、何もないところから独立、スタートして、生き馬の目をぬくといわれるほどの厳しい世界にあって、40年以上も生きつづけることができたこと、ここが一番スゴイことだと思う。
とにかくその30余年間には、山あり谷あり、やめようかと思ったことも2度や3度ではない。なんとかくぐりぬけてきただけでなく、ユニークな出版社群の一角を担っていると自負している。
このあたりのことを、折にふれて書きつづるのも意味のあることかもしれない。ブログというのは、少しずつ、気が向いた時に、好きなだけ書けばいいので、これは自分に合っているかなとも思う。できるかぎり、続けたいと考えている。「継続は力なり」という格言があるが、これはホントだと思う。すこしばかりヘタでも、続けていると注目されることもあるし、その蓄積は迫力さえ生み出す。(2013.8記)